描きとめる
川沿いの桜の花が美しい頃
そろそろ履歴書の用意をしなければと思いつつ
決算書類は最後の山を迎えておりました。
日曜日 本社に書類を届けに向かうと
ビルの近くで別の事務所の女性達とばったり。
みんなここしばらく休み返上で書類に向かっていたんだ・・・
「おつかれさま~」 と口々に挨拶して私もひと段落。
私もカフェで軽く食事をとってから帰途に着こうとしておりました。
日曜日のオフィス街
ふと通り過ぎようとしたビルの入口に
ギャラリーの案内が見えました。
木漏れ日の下赤い花が印象的な絵に惹かれてビルの中へ。
個展を開かれていたのは50年絵を描き続けておられるという女性でした。
「どなたかのご紹介ですか?」
「いえ、ただ通りがかっただけなのですが
拝見させていただいてよろしいですか?」
微笑んでくださったお顔がとても上品で素敵でした。
壁に並べられた作品たちはみんな植物をモチーフにされたもの。
白樺に、桜に、たくさんの樹々
木漏れ日の中見上げた枝葉の向こうには
気持の良い青空が広がっているのが感じられました。
うっとりと拝見していたら、お客様のひとりが話しかけてきてくれました。
「絵を描かれるの?」
「あ、いいえ・・・、私が学んでいるのは銀細工で絵は描いたことがありません。
植物モチーフが好きで、この絵に惹かれてまいりました」
「そうなの(にっこり)! 彼女の絵は見ていて安心できる絵よ
ゆっくり観ていってくださいね」
画家さんの長年の友人だそうだ。
標準語で、しかもこの方も上品な話し方と物腰で、素敵。。
彼女の案内で改めて絵の一枚一枚をゆっくりと拝見して
いろんなお話を聞かせていただいた。
大きな絵を前にして手で枠をつくって覗いてみては
印象が変化を感じてみたり
額の印象や役割のお話だったり
ご自分が目にして心に留まったものを描きとめてごらんなさい。
喫茶店に入ったときだったら紙ナプキンでいいの。
小さなメモの端っこで十分よ。
スケッチから始めましょう。
きっといろんなものが見えてくるから。
「今度東京に来られるなら 是非行ってみるといいわよ」 と
ノートにいくつかの美術館と庭園の名前を書いて
手渡してくださいました。
途中、私は仕事の電話が入ったので
画家さんとお二人にご挨拶してギャラリーを離れましたが
その際、エレベーターまで見送ってくださいました。
日曜日のオフィス街
偶然立ち寄ったギャラリーでのひとときでした。。 感謝。
描き綴ってごらんなさい
きっと見えてくるから
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